映画の詩学 (単行本)

触発するシモーヌ・ヴェイユ

映画の詩学
フォーマット:
単行本 電子書籍
著者 今村 純子
ジャンル 外国語・外国文学・芸術
出版年月日 2021/09/30
ISBN 9784790717584
判型・ページ数 4-6・308ページ
定価 2,970円(本体2,700円)
在庫 在庫あり

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尽きせぬイメージの泉

『となりのトトロ』『リトアニアへの旅の追憶』『阿賀に生きる』『東京物語』『ニュー・シネマ・パラダイス』……映画という具体的な芸術に沈潜するとき、ヴェイユの思想はどう生きられるのか。己の詩をもつ人々が放つ美の閃光を読みとく。

………………

【序章「哲学、女、映画、そして……」から抜粋】

シモーヌ・ヴェイユからはむしろ離れ、映画という具体的な芸術に沈潜していったときに、ヴェイユの名をいっさい出さず、ヴェイユの思想をいっさい語ることなく、彼女の思想がわたし自身の言葉としてあらわれ出てきたのだ。自らの意図に沿って思考しているかぎり、それはその人よりも高くも低くもない。自らにおいて自らを超える思考があらわれ出たときにはじめて、他者とつながってゆける普遍性の光が見える。
序 章 哲学、女、映画、そして…… 

◆第Ⅰ部 大地と詩

第1章 ファンタジーとは何か――宮崎駿『となりのトトロ』
第2章 映像という詩のかたち――ジョナス・メカス『リトアニアへの旅の追憶』
第3章 叙事詩としての映画――佐藤真『阿賀に生きる』 

◆第Ⅱ部 叙事詩の閃光

第4章 夜と音楽――ジャン=リュック・ゴダール『アワーミュージック』 
第5章 追憶の詩学――スティーヴン・ダルドリー『愛を読むひと』 
第6章 「見ること」から「創ること」へ――想田和弘『Peace』 

◆第Ⅲ部 円環の詩学

第7章 沈黙における関係性――小津安二郎『東京物語』
第8章 絵画としての映画――キム・ギドク『春夏秋冬そして春』 
第9章 イタリアのシモーヌ・ヴェイユ――ジュゼッペ・トルナトーレ『ニュー・シネマ・パラダイス』 

終 章 シモーヌ・ヴェイユとマヤ・デレン 

付 論 Ⅰ インタヴュー「詩と哲学を結ぶために」辻井喬/今村純子(ききて)
    Ⅱ インタヴュー「生きているヴェイユ」今村純子/図書新聞編集部(ききて) 

註 
あとがき
初出一覧
主要文献一覧
シモーヌ・ヴェイユ略年譜
事項索引
人名索引 

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