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0001.02.28
美しいってなんだろう?
著者 | 矢萩 多聞 著 つた 著 |
---|---|
ジャンル | 外国語・外国文学・芸術 |
出版年月日 | 2022/06/21 |
ISBN | 9784790717713 |
判型・ページ数 | 4-6変・256ページ |
定価 | 1,980円(本体1,800円) |
在庫 | 在庫あり |
真と善はしばしば争いを生むが、美は敵を作らない
美しいってなんだろう?
――ある日、8歳の娘から投げかけられたなにげない質問に、手紙を届けるように文章を書きはじめた。
600冊以上の本をデザインしてきた装丁家・矢萩多聞。
小学生の娘と交わした、世界のひみつを探る13の対話。
【推薦コメント☆☆☆☆☆】
この本には学校にはない、インドの匂いがある。
生きる知恵を学べる楽しい父娘合作の本。
真と善はしばしば争いを生むが、美は敵を作らない。
――谷川俊太郎
この地球上に鳴っているしあわせな音に耳をすまし、腰を下ろし、命を噛み締める。
その音を共有してくれるこの本は私をすっかり優しい気持ちにしてくれました。
――一青窈
【本文「はじまり」より】
美しいものは、ときにはみにくく、ざんこくである。……身近なところに隠れているのに、手をのばせばけむりのように消えてしまう。ことばにしたとたんに、まったくちがうものに変わりはてる。
いま、ぼくは、流れゆく雲のようにあてどもないものを書こうとしている。それでも、忘れえぬ美しい光景をあらためて書きとめ、娘とともに「美しいってなんだろう?」ということを考えてみたい。
試し読みはこちらから
https://web.sekaishisosha.jp/categories/809
【メディア掲載】
本のつくりがとても凝っている……父娘のやりとりが美しい1冊。
――中江有里(女優、NHK「ひるまえほっと」2022年6月13日)
まず父が考えたことを書き、娘がそれを読んで作文で応答するというふうに進んでいくが、父はその過程で自分の幼少期を振り返り、娘は自分の未来に思いを馳せる……おしきせの美ではなく、自らの目で美しさを探し出すことを教えたインドこそが、この家族にとっての学舎だったのである……「美しさ」を日常の中に発見するヒントに満ちている。
――大竹昭子(作家、『西日本新聞』2022年8月13日)
本のあちこちでインドの言葉を紹介してくれるが、『この世すべてのお寺をめぐっても、おのれの寺を参らねば救いはない』という言葉に、今を生きる私も、己に向き合う覚悟を問われる
――寺尾紗穂(シンガーソングライター、『北海道新聞』7月10日)
いのちの真ん中からうまれたばかりのような、瑞々しくも力強い文章
――『FUDGE』(2022年8月号)
真剣で美しい自問自答の歌、つまり神に捧げる踊りであり、同時に、ある家族の美しい愛の記録である。
――九螺ささら(詩人、『週刊読書人』2022年7月8日号)
「あかねさんに会いたい」という一文で始まる彼女の叫びは、読むものを圧倒する名文だ。
――『神奈川新聞』(2022年7月7日)
不登校だった父と小学校に通わぬ娘が心に刺さるエッセー集
――『京都新聞』(2022年9月2日)
【特設サイト】
http://tamon.in/book/utsukushi/
読書会の情報やコメント全文をご覧いただけます。
【推薦コメント(抜粋)】
稀有な本に出会った。ここには素朴だが、強靭な美があり、愛があり、真実がある。真実の意味で美にふれたとき、その者の発する言葉は、詩になり、同時に哲学になる。そればかりか、この世界は愛するに足りるという讃歌になり、永遠を告げ知らせる告白にもなる。そんな存在の秘義を伝える一冊だ
――若松英輔(批評家)
多聞さんの祖父母や両親から、多聞さんからつたさんへ、つたさんから多聞さんへ、美しさはどんどん伝染して、ぐるんぐるん渦巻いてる。じわじわと私にも巻きついて、心が喜び出した!
――ミロコマチコ(絵本作家)
ささやかで何気ないものを抱きしめると、そこに自ずと美が立ち現れる。多聞さんとつたちゃんは、そんなことをそっと教えてくれる。
――中島岳志(政治学者)
万物がめぐり、出逢いと別れをくり返す。そんな偶然でありながら、必然でもある世界に住まうこと。矢萩多聞さんと娘つたさんのやわらかな眼差しは、この世界との向き合い方の内側に美しさが宿るのだと気づかせてくれる。
――松村圭一郎(文化人類学者)
私たちひとりひとりは、神様が作った壮大なお芝居を演じながら、今日も歩き、働き、笑い、泣き、嘆き、愛し、抱きしめ、眠って、夢を見る。その日常を繰り返しながら、なにげない石を拾って、適当な歌を歌いながら、眺めの良さそうな山の方角に一歩を踏み出せばいいのかな。そう思うと、ただ毎日を生きるのがもっともっと楽しみになりました。
――川内有緒(作家)
ふとした瞬間に、人は理由もなく魅入られる。何かを美しいと思う気持ちは恋にも似ていて、「これこそ自分の求めていたものだ」と確信する瞬間はこの上なく甘美だ。しかし、移りゆく時間のなかで、世界は私から奪いもする。美は冷たく、残酷だ。その波間を小舟でゆく旅人のような多聞さんとつたちゃん。二人の言葉は、語っているのにまるで聞いているかのように澄んでいる。
――伊藤亜紗(美学者)
多聞さんが9歳で出会ったネパールやインド、心ふるえる父の思い出が、つたちゃんの体験とスパークして、私の子ども時代の記憶を呼び起こす。「灰のなかにのこった悲しみは、よいわるいの物語を超えて、美となり、だれかの救いとなった」近頃読んだ一番美しい文章です。
――森まゆみ(作家)
多聞さんのお母さんの話に、私の母の面影を見た。つたちゃんの文章は子供のころの私を思い出させた。読む人それぞれの人生が心に浮かぶ、鏡のような文章。涙が溢れる。愛おしい人たちとともに、人間が憧れ続ける美しさとともに、私も生きていきたい。
――佐々木美佳(映画監督)
いつだって、どこを読んでも、多聞さんの言葉は丸くてやさしい。表現がふくよかで、心にそっと種をまき、いつか小さな花を咲かせるような言葉だ……読み進めているうちに、つたちゃんの言葉に立ち止まることが多くなる。目が離せなくなる。どんどん大人びてくる。
――加藤直徳(編集者)
「学校」のない時代から人類は、歌い、祈り、絵を描き、文を書き、そしていたずらをした。また火に慄きながら、それでこねた土や草を焼き、料理を作り、そして死者を焼いた。インドであれ極東の島国であれ、連綿と続いてきたそんな営みが、驚くべきことにこの本にはすべて詰まっている。
――田中典晶(本屋UNLEARN店主)
カトマンドゥ
川
壁
皿
庭
果実
墓
文字
石
人
火
歌
ことば
あとがき
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