柿本人麻呂の、妻依羅娘子を思う歌、依羅娘子の人麻呂の死を悼む歌への考察を中心に、石見と人麻呂との関わりを旧稿の再検討を通しながら論証する。また、後期万葉から、山部赤人・大伴家持の作風や作品観、最後に万葉の魅力を説き明かす。
I 石見の人麻呂
はじめに
石見の国より上り来る時の歌(その一)
石見の国より上り来る時の歌(その二)
石見の潟
石見相聞歌の一考察 ― 類歌との比較を通して ―
人麻呂の死をめぐる諸問題
II 後期万葉
赤人作歌の和歌史的位置
称美と悲嘆 ― 赤人の神岳の歌について ―
家持作中の即和歌をめぐって
初雪の歌
III 概観
万葉の魅力
あとがき