都市社会学を学ぶ人のために

都市社会学を学ぶ人のために
著者 玉野 和志
ジャンル 社会
テキスト > 社会
シリーズ 学ぶ人のために
出版年月日 2020/03/10
ISBN 9784790717386
判型・ページ数 4-6・236ページ
定価 2,420円(本体2,200円)
在庫 在庫あり

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資本主義がグローバルに展開するなか、世界の都市はどのように変化し、どのような課題を抱えているのか。具体的な歴史に沿って明らかにする。

都市社会学の源流から現代的課題まで、またシカゴ学派から新都市社会学以後の潮流までを、統一的な観点からトータルに理解するテキスト。

建築学、地理学、都市工学、都市政策学を学ぶ人にも有意義な参考書である。

 

 

「はじめに」より――編者

 

 本書は、都市社会学の入門的テキストである。したがって、今ここでこの本を手にとっているあなたは、都市に興味があったり、社会学に興味があったりするだろう。まず最初に本書がそのような人にとって、どのような導きの糸になるかについて述べておこう。

本書は都市社会学という、ある程度限定された専門領域に関するテキストではあるが、都市という対象の広がりと都市社会学の成り立ちの事情ゆえに、都市に関連する諸科学――建築学、地理学、都市工学、都市政策学など――や、社会学全般に興味のある読者にも、有意義なものである。なぜなら社会学はもともと近代の都市を舞台として成立したものであり、いわば社会学は当初すべて都市の社会学であったからである。

事実、本書で詳しく扱う都市社会学の源流としてのロンドンの労働者生活研究もシカゴ学派の都市社会学も、いずれも社会学研究の嚆矢(こうし)として知られている。シカゴ学派は今でこそ都市社会学の源流とされるが、当時はアメリカ社会学を代表するものであった。

したがって、都市社会学を学ぶことは社会学の始まりを学ぶことにもなる。また、いうまでもなく都市はさまざまな学問領域の対象となってきた。そのような諸科学が都市を扱う際に忘れてはならない、都市の人間的・社会的側面に関する基礎的な理解を、都市社会学は与えてくれるのである。

はじめに――本テキストの意図と構成

Ⅰ 都市の歴史をふりかえる
第1章 都市の歴史的展開(玉野和志)
第2章 都市社会学の歴史的展開(玉野和志)

Ⅱ 都市をいかにとらえるか
第3章 都市とは何か(玉野和志)
第4章 都市の社会構造(玉野和志)

Ⅲ 都市空間を探究する
第5章 都市空間を描く(浅川達人)
第6章 都市空間の理論(丸山真央)

Ⅳ 都市コミュニティを探究する
第7章 都市コミュニティの探究(林浩一郎)
第8章 都市と市民(玉野和志)

Ⅴ 都市の政治と権力
第9章 都市の権力構造(玉野和志)
第10章 都市の成長戦略と新都市政治学(齊藤麻人)

Ⅵ グローバリゼーションと都市
第11章 途上国の都市化と経済成長(佐藤 裕)
第12章 世界都市の成立と格差の拡大(上野淳子)

Ⅶ マイノリティと都市
第13章 都市下層から照射する都市の姿――ホームレスをめぐって(山口恵子)
第14章 移民とトランスローカリティ(福田友子)

必読文献
人名索引
事項索引

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