誘惑する文化人類学

コンタクト・ゾーンの世界へ

誘惑する文化人類学
著者 田中 雅一
ジャンル 人類学・民俗学
出版年月日 2018/06/25
ISBN 9784790717065
判型・ページ数 A5・336ページ
定価 4,180円(本体3,800円)
在庫 在庫あり

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暴力、セクシュアリティ、宗教実践、モノなど、一貫して近代理性と対立するテーマに挑み続けてきた著者が、「誘惑」に導かれて新たな領野を拓く。共鳴するコンタクト・ゾーンと身体世界を探究し、全体化に抗する文化人類学を提唱する渾身の力作。
はじめに

序 章
 一 文化人類学への視座
 二 なにを継承すべきか?
 三 なにを葬り去るべきか?
 四 わたしたちとかれら
 五 従属する主体
 六 呼びかけからパフォーマティヴィティへ
 七 攪乱するエイジェント
 八 エイジェンシーのコミュニティ
 九 共鳴する身体

第Ⅰ部  誘惑の文化人類学

第一章 誘惑と告白
 一 はじめに
 二 誘惑とはなにか?
 三 主客逆転と相互転換
 四 身体性と偶発性
 五 儀礼と告白
 六 エロスの世界と共鳴する身体
 七 誘惑のトポス
 八 他者像の転換
 九 誘惑する民族誌の創出

第二章 誘惑モデルと闘争モデル
 一 はじめに
 二 闘争モデル
 三 ネットワークと関わり合い
 四 エイジェントと誘惑1
 五 愛撫する手
 六 肉の共同体


第三章 構造と誘惑のトポス――カースト社会に生きる
 一 はじめに
 二 文化の記述から個人の記述へ
 三 ヴァルナ、ジャーティ、カースト
 四 カーストを理解する試み
 五 ムリの世界

第四章 「未開」の誘惑――モダン・プリミティヴ論
 一 はじめに
 二 『汚穢と禁忌』をめぐって
 三 身体のゆくえ
 四 モダン・プリミティヴという実践
 五 変態/ヘンタイする身体

第五章 モノの誘惑――フェティシズム論
 一 はじめに
 二 今なぜフェティシズムなのか?
 三 道具的世界観批判
 四 フェティッシュあるいはフェティシズムとはなにか?
 五 不在の否認
 六 フェティッシュ・ネットワーク
 七 現代社会への視座

第Ⅱ部  コンタクト・ゾーンの文化人類学

第六章 トライバル・ゾーンからコンタクト・ゾーンへ
 一 はじめに
 二 コンタクト・ゾーンとはなにか?
 三 『帝国のまなざし』を読む
 四 コンタクト・ゾーンとしてのフィールド
 五 文化交流を越えて

第七章 民族誌の時間
 一 はじめに
 二 フィールドの時間、ホームの時間
 三 フィールドでの異時間主義
 四 フィールドにおける二つの時間モード
 五 共時間的なやりとり
 六 運命的瞬間

第八章 暴力とその変貌
 一 はじめに
 二 人類学の死角へ
 三 文化人類学の暴力
 四 儀礼という回路
 五 儀礼的暴力の「野蛮さ」
 六 コンタクト・ゾーンにおける暴力の変容
 七 暴力の分類

第九章 実用人類学の系譜
 一 はじめに
 二 実用という視点
 三 人類学の役割
 四 フィールドとしての植民地
 五 ローズ・リヴィングストン研究所
 六 人類学者の孤立
 七 研究・教育活動
 八 その後のローズ・リヴィングストン研究所
 九 植民地からアカデミアへ

第一〇章 探検と共同研究
 一 はじめに
 二 探検と冒険
 三 京都大学における探検の存続
 四 今西錦司から梅棹忠夫へ
 五 南洋探検
 六 共同研究という方法


補論1 トランザクショナリズムの限界と可能性――フレドリック・バルトの人類学
 一 はじめに
 二 生い立ちと経歴
 三 スワート社会の民族誌
 四 スワート社会の指導力
 五 構造機能主義への批判
 六 スワート民族誌批判
 七 エスニシティ論
 八 創造力の人類学へ

補論2 場所の誘惑――カスタネダとスターホーク
 一 はじめに
 二 文化批評を実践する
 三 共鳴する場所と身体
 四 神聖なる地球

おわりに

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