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『子育ての常識から自由になるレッスン』が『子育て支援と心理臨床』で紹介されました
2021.12.16
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『子育ての常識から自由になるレッスン』が『図書新聞』で書評されました!
2021.11.25
子育ての常識から自由になるレッスン (電子書籍)
おかあさんのミカタ
子育ては楽しい? いえいえ、そんな単純なものではない!
「母とはこうあるべき」という「常識」がおかあさんたちの心を縛りつけている。大切なのは、育てる側の心が自由で生き生きとしていること。社会の、そして母親自身の「おかあさんのミカタ」を解きほぐし、別れを見すえた親子関係を考える。歌人の俵万智さん推薦!
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悩み迷っていた頃、こんなミカタが欲しかった!
俵万智
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【「はじめに」から抜粋】
母親になって最初に私が感じた言いようのない居心地の悪さのようなものは、今でもありありと思いだせます。出産した病院から自宅に戻ってまもなく、親戚はもちろん、近所の年長の女性が次々と訪れて、「今が最高のときね!」「幸せでしょう!」と祝福してくれたのですが、それらの言葉のシャワーは、どうしても私のこころにすっと入ってきませんでした。無事わが子と出会えたことへの感謝の気持ちは人一倍もっているつもりでも、「母という幸せ」は絶対的な価値であり、その価値を傷つけるような言葉は一切発するなと言われている気がして、なにか違うと感じながら、ただ黙って笑顔でいるしかなかったのです。
私の抱いた違和感や息苦しさ、封じこめられたさまざまな感情は、おそらく現代を生きる多くの女性が母親になったときに遭遇する普遍的なものの一部であろうと思います。母親であるということは、自分の人生の一部であってすべてではありません。(…)
無意識に「母親とはこう感じるもの、こうあるもの」という美化された幻想に縛られているほど、子育ては息苦しいものになっていきます。子育て支援の現場で若いおかあさんたちと話していると、その状況は今もあまり変わらないように感じます。たとえば、「女性には母性本能があるから、男性よりも子育てに向いている」「お腹を痛めて産んだ子なら、かわいいはずだ」「三歳までは、母親の手で育てるのが一番である」といった、いわゆる子育ての「常識」(科学的な根拠のない世間の通念)を信じている母親は想像以上に多く、また私があげた常識リストのうち多くを信じているおかあさんほど、子育ては「つらい」と吐露します。
未来を生きる子どもたちが健やかに育っていくためには、なによりも、育てる側の大人のこころが自由で、豊かで、生き生きとしていなくてはなりません。そのためには、まず私たちが「おかあさん」に対して無意識のうちにもっているミカタ(見方)を問いなおし、それがどこから来るのかを理解することが必要です。またそういったまなざしにとらわれて、ひとりひとりの母親が自分自身に対してもってしまうミカタについても、もっと別の視点から見なおすことが必要でしょう。
子育ての方法はどんどん変わっても、人が母親というものに対して抱く思いこみや、母親自身が体験するこころの世界はそう簡単には変わりません。それらをできるだけ丁寧に言葉にしていくことをとおして、おかあさんのミカタを問いなおしたいという本書の試みが、子育て中のおかあさんやおかあさんを取りまく少しでも多くの人々のミカタ(味方)となり、ふっとこころが自由になる瞬間を共有してもらえたらと願います。★webマガジン「せかいしそう」で試し読みできます。
はじめに――「子育ては楽しい」のワナ
第2章 おっぱいのしもべ?――近づきすぎるとそれしか見えない
第3章 イヤイヤ期の到来――勝ってはいけない闘い
第4章 3歳まではなぜ大切か――「三つ子の魂」に刻まれていること
第10章 距離という劇薬――ほどよい母親でいるために
▼新米おかあさんの経験
第1章 赤ちゃんとの出会い――おかあさんもまた「生まれる」
第2章 おっぱいのしもべ?――近づきすぎるとそれしか見えない
第3章 イヤイヤ期の到来――勝ってはいけない闘い
第4章 三歳まではなぜ大切か――「三つ子の魂」に刻まれていること
第5章 おむつは布か紙か――忠告をふるいにかける
▼頑張らない子育て
第6章 母親だけではできないヒトの子育て――おとうさんを同志に
第7章 「私が」頑張ってもうまくいかない――子育てはチームで
第8章 きょうだいを育てる――葛藤がきたえる絆
第9章 負の感情との付きあい方――「話す」ことで「離す」
第10章 距離という劇薬――ほどよい母親でいるために
▼こころを解き放つ
第11章 内なる子ども・内なる母――こころの声に耳をすます
第12章 罪悪感という友だちと別れるコツ――負の因果関係にとらわれない
第13章 「別れ」のレッスン――寂しさと誇らしさと
第14章 子育てのゴール――ひとりでいられる力を育む
第15章 育てあげの風景――自分の人生を生きる
あとがき
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(本体1,700円)