インドとバングラデシュを超えて人びとに支持される聖者ラロンのあり方を通して、近代の「宗教」概念を問い直す。宗教的なもののえたいの知れなさを読み解き、様々な対立や混乱を回避するための対話の可能性を探る、渾身のエスノグラフィー。
はじめに
序章 問い直される「宗教」概念
第1章 ラロンはヒンドゥーかムスリムか?
第2章 ラロンの歌とその宗教世界
第3章 イスラーム神秘思想としてのラロン
第4章 聖者廟をめぐるバウルたちの闘い
第5章 バウルたちの終わりなき闘い
第6章 世界遺産としてのバウル
第7章 「宗教」概念の再構築
おわりに