誰が負を引きうけるのか

原発・ダム・空港立地をめぐる紛争と市民社会

誰が負を引きうけるのか
著者 ダニエル・アルドリッチ
湯浅 陽一 監訳
ジャンル 社会
出版年月日 2012/03/05
ISBN 9784790715610
判型・ページ数 A5・328ページ
定価 3,520円(本体3,200円)
在庫 在庫あり

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「負の公共財」=原子力発電所・ダム・空港の立地をめぐる闘いからみる市民社会と国家 広島・長崎の原爆投下や第五福竜丸の事件を経験した日本が、なぜ世界屈指の原発大国となりえたのか――日・仏・米の事例を比較分析する
日本語版への序文 ⅰ
はじめに

序章 立地をめぐる紛争と政策手段

 負の公共財とは何か
 板挟みにあう負の公共財 ― ニーズの増加と抵抗運動の成長
 本書における議論の要点
 立地選定
 対抗的な市民社会への対応 ― 政府の手法と戦略
 市民社会と国家
 施設立地に対する従来のアプローチ
 焦点を合わせる国 ― 日本
 比較の視点 ― フランスとアメリカ合衆国
 本書の概要

第1章 立地場所を選び出す

 立地に関する諸説明
 立地決定,市民社会と社会的資本の量の代替値
 データ・セット
 結果 ― 日本における原子力発電所の立地
 日本における空港の立地
 日本におけるダムの立地
 立地の試みの成功と失敗

第2章 手法選択の論理

 手法の使用に関する伝統的な理論
 国家が用いる政策手法の分類
 手法の使用と創出に関する予測

第3章 散発する騒乱 ― 日本およびフランスにおける空港立地

 なぜ空港が生みだすNIMBY反応は軽度なのか
 雲一つない空 ― 日本における空港立地:1950年代から1970年代まで
 大規模な騒乱,1970年代から1990年代
 まだみぬ場所へ ― 1990年から現代に至るまで
 フランスの空港立地 ― 穏やかな抵抗

第4章 ダムを造る ― 日本とフランスにおける水源開発事業の立地

 表面的な平穏 ― 日本におけるダム立地:1950年代から1990年代まで
 貯水池でのさざ波 ― 激化する日本の反対運動
 ダムに入った亀裂 ― 1990年代以降の日本における全国規模のダム反対運動
 その後の変遷
 フランスにおけるダム立地 ― 穏やかな抵抗と国による強制力の不在

第5章 心をつかめ ― 日本における原子力発電所の立地

 相対的にも絶対的にも成功と言える日本の原発立地
 「神代時代」 ― 1950年代と60年代
 沸点に向けて ― 1960年代後半から80年代にかけて
 メルトダウンの阻止 ― 1980年代から現在まで

第6章 ダビデ対ゴリアテ ― フランス原子力発電所の立地

 「黄金時代」 ― 1945年から1969年までの順調な立地
 「生きるか死ぬかのアルザス」 ― 1970年から1985年までの激しい抵抗
 市民の支持の緩やかな低下 ― 1985年から現在まで

結論 将来の研究に向けて

 マキアヴェリ的国家
 競合と国家による手法の開発
 負の公共財の立地の未来


付録
参考文献
訳者解説
索引

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