昭和作家の〈南洋行〉

昭和作家の〈南洋行〉
著者 木村 一信
ジャンル 日本語・日本文学
出版年月日 2004/04/10
ISBN 9784790710479
判型・ページ数 A5・396ページ
定価 7,480円(本体6,800円)
在庫 品切れ・重版未定

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我が国の一九三〇年代、四〇年代前半期における「外地」、特に「南方」への関わりの顕著な文学状況の中で「南方徴用作家」を中心にその文学的営為の全容を明らかにし、敗戦以降、その言説をいかに自ら整理し位置づけていったかを検証する。
● I〈南洋行〉の時代
1 高見順〈南洋行〉序説 ― 心はちぢに乱れて
2 高見順「ある晴れた日に」論 ― バリ島体験の意味
3 中島敦の〈南洋行〉 ― 新たな己れへの認識
4 石川達三「蒼氓」論 ― 〈棄民〉を目にして
●II〈徴用〉の時代
1 阿部知二の〈徴用〉体験 ― 「死の花」の背景
2 高見順の〈徴用〉体験 ― 「私はビルマを愛してゐる」
3 北原武夫の〈徴用〉体験 ― 薔薇を描くこと
4 庄野英二の〈ジャワ〉 ― 「青春の消光」
5 「南方徴用作家」 ― 〈ジャワ〉を中心に
6 阿部知二の〈ジャワ〉を歩く
●III〈南方〉への関わり
1 近代作家のアジア・東南アジア認識について
2 消えた「虹」 ― 佐藤春夫の〈南方〉体験と関東大震災
3 流浪の旅の豊饒さ ― 金子光晴「マレー蘭印紀行」
4 持続と変貌と ― 中島敦をめぐって
5 ハンセン病医〈ジャワ〉に死す ― 邑楽慎一論
6 漫画家の〈ジャワ〉 ― 小野佐世男をめぐって
7 敗戦を受けとめる ― 火野葦平「革命前後」
8 統治地〈ジャワ〉の愛 ― 安田満「歌姫アユム」
●IV〈外地〉への目
1 〈ジャワ〉の陣中新聞 ― 『赤道報』『うなばら』
2 「大東亜共栄圏」と文学者たち
3 文学の戦争責任五〇年
4 「自己認識・生存認識」に関わるアジア体験
●V 研究の現在
1 阿部知二の問題意識 ― 「人の発見」
2 「旅人」の誕生まで ― 森本穫『阿部知二―原郷への旅―』
3 アジアの描かれ方 ― 川村湊『アジアという鏡―極東の近代―』
4 「歴史への臨場感」を手にするために ― 黒川創編『〈外地〉の日本語文学選』
5 新しい文学史の誕生 ― 池田浩士『 [海外進出文学] 論・序説』

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