現代社会論

個人と家族、地域社会、国際関係、科学技術をはじめ、現代社会は解決を要するさまざまな重要課題を抱えている。そうした複雑化する現代社会をわれわれはどのように再構成すべきか。京都女子大学現代社会学部の有志専任教員による現代社会論集。

序［初瀬龍平］

I　個人と社会
　１ 「資格を取った方がいいですか」 ― 資格は「弱い」味方・序説［筒井美紀］
　２ ジェンダーと日本の法制度の課題［南野佳代］
　３ 不道徳人間ともっと不道徳な社会 ― Ｒ. ニーバーのキリスト教現実主義の罪の概念［横田俊二］

II　家族と社会
　１ 家族と社会の変容は人づくりにどう影響するか［加茂直樹］
　２ 結婚の経済分析 ― 結婚デメリット社会のゆくえ［坂爪聡子］
　３ 離婚と子ども虐待 ― 日米比較［棚瀬一代］

III　地域社会の活性化
　１ 地域活性化はテーマから［伊藤正憲］
　２ 地域の価値を高める地域経営［橋本行史］
　３ 住みやすい地域自然環境づくり ― 持続可能な社会へ向けた地域と地球の再生［槇村久子］
　４ 地域政治と女性の参画 ― なぜ女性議員が少ないのか［竹安栄子］

IV　多文化社会とエスニシティ
　１ 国際結婚と戦後日本社会［嘉本伊都子］
　２ アメリカに生きる日系人 ― ユタ州の事例から［東元春夫］
　３ 「帰国子女」のイメージと現実［嘉納もも］

V　国家と国際関係
　１ 現代国家の二つの顔 ― 強大な権力と過重負担［依田　博］
　２ グローバル化時代の新しい戦争 ［初瀬龍平］
　３ ＥＵから拡大ＥＵへ［ガーボル・バコシ］

VI　科学技術と社会
　１ 現代社会の視点としての物理学と情報学［水野義之］
　２ 遺伝子組換え作物のリスクの諸相 ― リスクの社会的次元とガバナンスの課題［平川秀幸］
　３ 水素エネルギー時代を実現する水素貯蔵合金［蒲生孝治］