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2021.07.28
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2021.01.22
遊びからはじまる (単行本)
すべては遊びからはじまる!
子どもにとって生活は遊びそのもの。遊びは子どもの心とからだを丸ごと育てる。
絵本、紙芝居、人形劇、お絵かき、ごっこ遊び、感触遊び、料理、かたづけ、栽培…。
たくさんの遊びをとおして、子どもの育ちを見つめる。
保育の入門書としても最適。
……………
いつも走ってる。いつも歌ってる。小さな穴に小石を入れる。
子どもって面白い。ぼくもかつてはそうだったんだよなぁ。
――シンガーソングライター・絵本作家 中川ひろたか
「あっ、今、この子は、育とうとしている!」とドキドキする瞬間がある、
と著者は書いています。子どもの傍にいる人はこうでなくっちゃね。
絵本のページをめくった瞬間、字の方に目がいくようでは、
子どもに対等に付き合ってもらえません。
じゃあどうすればいい?
保育者や育児中の人の悩みはこの本で解決。
きっと子どもに遊んでもらえるようになりますよ。
私、子どもの本屋、40年やってます。
その間に幼稚園の園長もしていました。
だから子どもと大人の橋渡しができるこの本を推薦!
――こどもの本屋「こどもの広場」店主 横山眞佐子
……………
【「はじめに」から抜粋】
子どもたちの遊びこむ姿は、声をかけるのをためらうほど真剣です。心もからだも一〇〇パーセント遊びに没頭している子どもの姿を目にすると、この『梁塵秘抄』の言葉(「遊びをせんとや生まれけむ」)が頭をよぎり、「あぁ、子どもは、遊ぶために生まれてきた人たちなのだ」と納得するのです。
大人にも、当然、子ども時代はありました。しかし多くの大人は、ただ楽しいからやっているという「遊び」を忘れてしまっているように思います。
私は、大学の児童学科の教員で、子どもの発達に関心をもつ学生や保育者を目指す学生たちと、人形劇や絵本、玩具といった児童文化財について考え、地域での児童文化活動も実践しています。そんななか、保育者を目指す学生や、子どもを育てるお母さん・お父さんのなかにも、「子どもと遊べない大人」がいることを感じてきました。実際、この問題はずいぶん前から話題にもなっていました。
子どものなかに入っていけない。本を見ながら工作を教えたり、子ども向けの映画やテレビ番組の動画を見せたりするだけで、子どもと一緒に遊びこむことができない。休日に子どもとどう遊んでいいかわからず、大型ショッピングセンターに買い物に出かけ、ゲームコーナーや飲食店に立ち寄ってプチイベントとする。
こうした「子どもと遊べない大人」の話を聞くと、大人が思う子どもの「遊び」のイメージと子どもが実際に楽しいと感じる「遊び」との間に、相違があるように思うのです。子どもたちは、すべてが整えられた場で、大人から指示を受けて、大人が評価する活動をすることには満足しません。そこには、子ども自らが主体となって心を動かしからだを動かす楽しさやよろこびがないからです。
生まれたての赤ちゃんも、音のする方に耳を傾け、光がさす方に目を向け、においをかぎ分け、手や口でふれて、自分の周りの世界を知ろうとする力をもっています。乳幼児期は、自分の周りの人や有形・無形の様々なものに興味をもち、観察し、手に取り、扱って、それがなんであるのか知っていこうとする時期です。私は、これこそが、子どもにとっての「遊び」だと考えています。つまり、子どもが世界にふれ、知り、世界とつながっていく活動そのものが遊びだと思うのです。そして、遊びをとおして、人間として生きていく力の基礎を身に付けるのが、幼児期の育ちだと考えます。★webマガジン「せかいしそう」で「はじめに」の全文を試し読みできます。
I 大人がつくる遊び
第1章 絵本――他者の世界観を取りこむ
第2章 紙芝居――現代の大衆芸能
第3章 人形劇――モノに命が宿る
第4章 影絵――具体と抽象の間で
第5章 お話――言葉から世界を想像する力
Ⅱ 子どもがつくる遊び
第6章 お絵かき・工作――発達にあわせたモノづくり
第7章 ごっこ遊び――うそっこの世界に行って帰って
第8章 感触遊び――からだでモノをとらえる
第9章 運動遊び――自分のからだをコントロールする
第10章 ゲーム――ルールを理解する
Ⅲ 暮らしと遊び
第11章 料理――食を営む力
第12章 食事――共に食べる喜び
第13章 かたづけ――秩序を身につける
第14章 買い物――社会の仕組みにふれる
第15章 栽培――自然を観察し、命を感じる
あとがき
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