ナチスの強制収容所文献を素材に、極限状況における人間について、われわれの日常につらなる普遍的な問題として考察する。ホロコースト・ブームの遙か以前、一九七四年に発表されながら、絶版により入手困難であった先駆的作が、今ここに甦る。
第一章 強制収容所を「生きのびる」ということ
第二章 「生」の諸条件
第三章 プロミネント ― 特権を与えられた囚人
第四章 適者生存 ― 「壊れない」人びとの一類型
第五章 精神の死と肉体の「生」
結びにかえて ― プロミネントと「回教徒」
あとがき
極限と教訓 ― 高橋三郎『強制収容所における「生」』について(石原吉郎)
新装版あとがき