身体が自らの廻りに空間を開くことを現象学的に証明し、建築の形態化する空間が「生きられる空間」であることを証示して、ハイデッガーの存在思想を身体現象に向けて超えていく意欲作。身体現象を空間と建築との関連で解き明かすユニークな試み。
第1章 場所から空間へ
― 「空間」表象の歴史的変遷
第2章 身体・感情・空間
― カントとハイデッガーを手引きとして
第3章 建築と身体
第4章 ヘーゲルの建築理論
― 一八二三年の『芸術哲学講義』に基づいて
第5章 意義の担い手としてのドイツ建築
― ヘーゲルとドイツ・ロマン派の建築論
第6章 生きられる空間