「満洲国」という植民地経験を題材に、植民者=日本人と被植民者=中国人の双方の多層的な語りから、彼らの生活世界の再構成を試みる。凍てつく大地で歴史のはざまを翻弄されて生きた人びとの、記憶のエスノグラフィ。第17回橋本峰雄賞受賞!
序 章 植民地と記憶
第1章 支配のためのレトリックの行方
第2章 喪失した故郷へのノスタルジア
第3章 慰霊というコメモレイション
第4章 抵抗と被害の記憶のコメモレイション
第5章 被害の記憶の聞きとり実践
第6章 個人的な記憶の語り
終 章 多声的な記憶をとおして
「満洲国」関連年表
参考文献/あとがき/索引