現代モンゴル遊牧民の民族誌

前触れもなく全財産をもってゲルごと移動していく、遊動的な人間関係。遊牧民たちの内面に濃い影を落とす、社会主義。モンゴル遊牧民とともに450日間暮らした著者の経験と実証的調査に基づいて、モンゴル国の牧畜社会の現在を活写する。

はじめに
凡例

序章　現代モンゴル遊牧民の民族誌へむけて

■第I部　二〇世紀のモンゴル
　 ― 変化する国家体制のもとでの遊動的牧畜
第１章　遊牧民の暮らしと変化
第２章　現代モンゴル遊牧地域
第３章　離合集散する遊牧民と世話のやける家畜たち

■第II部　分配された牧畜資本
　 ― 社会主義から市場経済への移行
第４章　協同組合の解体とその後の模索
第５章　土地私有化政策とローカルな実践

■第III部　遊牧社会の変化と連続
　 ― 激動の時代のなかで遊牧民として生きる
第６章　遊牧民にとって家畜とはなにか
第７章　現代に生きる遊牧民

終章　遊牧社会が経験した社会主義とポスト社会主義

注
参考文献
モンゴル語語彙一覧
索引