福沢諭吉と多元的「市民社会」論

女性・家族・「人間交際」

福沢諭吉と多元的「市民社会」論
著者 福吉 勝男
ジャンル 哲学・思想・宗教
出版年月日 2013/09/01
ISBN 9784790716044
判型・ページ数 4-6・258ページ
定価 4,180円(本体3,800円)
在庫 在庫あり

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近代日本の形成主体として、福沢諭吉は女性と男性を対等に位置づけていた。“citizen=市民”の訳語を日本で最初に用い、自立した個人から成る市民社会をめざした福沢と、哲学者ヘーゲルの「市民社会」論における共通点を読み解く。
まえがき ― 女性・家族・「人間交際」の視点から

第一章 「市民センス」の発露 ― 『学問のすゝめ』の要点
 1 「市民」と「演説」
 2 「私立の事業」と「ミッヅルカラッス」
 3  婦人の「三従の道」と「人間の権義」
 4 「名分」と「職分」
 5 「国民」と「政府」
 6 「一身独立して一国独立する」の意義

第二章 自由独立の精神 ― 福沢諭吉とヘーゲル(1)
 1 『文明論之概略』の人間・社会・国家観
 2 『文明論之概略』の文明観
 3  ヘーゲル『法・権利の哲学』の人間・社会・国家観
 4  福沢とヘーゲルにおける「自由独立の精神」の現代的意義

第三章 「多事の世界」と多元的「市民社会」論 ― 福沢諭吉とヘーゲル(2)
 1 「人間の交際」と「多事の世界」 ― 「市民社会」構想の三つの特徴
 2  ヘーゲル「市民社会」論への接近
 3  福沢と現代の多元的「市民社会」論

第四章 女性観と家族観 ― 近代日本の主体形成への問い
 1 「一身独立」と「女も人なり」をめぐる五つのテーゼ
 2  基本的人間観と「責任」・「財産」の主体
 3 「社会の圧制」と「男女交際」、そして「生計の独立」
 4  最後の『女大学』批判と近代日本の主体形成

第五章 「新日本の女道」 ― 『新女大学』の主張
 1 『女大学評論』での論評と『新民法』の施行
 2 『新女大学』での「女道」
 3 「新日本の女道」=新たな女性の生き方

第六章 「独立自尊」の人間像 ― 『修身要領』の市民倫理
 1 「自から労して自から衣食する」 ― 「独立自尊」の本源
 2 「臣民」から「人間」・「国民」へ
 3 「独立自尊」の人間像 ― 市民倫理の展開
 4 「独立自尊」の社会・国家関係

あとがき ― 現代の多元的「市民社会」論への展望と課題
索引

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