表象の植民地帝国

近代フランスと人文諸科学

表象の植民地帝国
著者 竹沢 尚一郎
ジャンル 人類学・民俗学
出版年月日 2001/12/20
ISBN 9784790709084
判型・ページ数 A5・346ページ
定価 3,960円(本体3,600円)
在庫 絶版

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19世紀初頭から20世紀なかばにかけて、植民地拡張と並行して発展した人文諸科学(民族学・地理学・歴史学・社会学)は、同時代の支配的観念とどう関わっていたか。アフリカに向かう視線の変化を軸に、西欧とは何か、近代とは何かを問い直す。
はじめに

第1章 探検家たちの時代 ― 植民地拡張の前史(1795-1850年)
西アフリカの探検家たち/植民地拡張前夜のフランスと西アフリカ/マンゴ・パーク、最初の西アフリカ探検/ルネ・カイエ、トンブクツーへの困難な旅/探検家と啓蒙思想/フランス本国における「他者」へのまなざし/人間観察家協会から地理学協会と民族学協会へ

第2章 植民地支配の拡大と帝国のプロパガンダ(1850-1900年)
フランスの植民地政策と西アフリカ支配の進展/共和派の台頭と「文明化の使命」/西アフリカにおける軍人たち/人類学の発展とその影響/地理学協会の普及/万国博覧会とエキゾチシズムの昂進/トロカデロ民族誌博物館と社会進化論/起源の探求へ

第3章 植民地の活用と消費革命、そして社会科学の発展(1900-1925年)
二十世紀初頭の植民地状況と「他者」への視線の変容/西アフリカにおける植民地経営の進展/モーリス・ドラフォスと西アフリカ研究の開始/イスラーム研究の進展/デパートと消費革命、そして社会的自意識の発展/デュルケームと社会学的方法の確立/デュルケーム社会学の人類学への影響/『宗教生活の基本形態』以降のデュルケーム学派/プリミティヴィスムからキュビスムへ

第4章 植民地との一体化とフランス民族学の自己成型(1925-1948年)
植民地との一体化の進行/第二次世界大戦の終結と「フランス連合」の植民地政策/民族学研究所設立までのマルセル・モース/パリ大学付属「民族学研究所」でのモースの講義/「贈与論」と「全体的社会的事象」/モースのイギリス社会人類学への影響/「全体人」あるいはモラリストとしての民族学/シュルレアリスムと民族学/レリスとグリオール、あるいはフランス民族学の自己成型

結論 植民地主義と人類学再考
あとがき・図版出典・引用文献・索引

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