十八世紀フランス文学を学ぶ人のために

十八世紀フランス文学を学ぶ人のために
著者 植田 祐次
ジャンル 外国語・外国文学・芸術
シリーズ 学ぶ人のために
出版年月日 2003/03/20
ISBN 9784790709756
判型・ページ数 4-6・380ページ
定価 2,750円(本体2,500円)
在庫 在庫あり

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近年における批評と研究の深化は作家レチフやサドなどの復権や再評価、古典的小説の新たな解釈を生み出した。本書では時に率直な疑問や見方を提示しつつ、フランス小説が市民権を獲得するに至る社会的メンタリティーの一端を測定する。
序章●話の糸口…プレヴォー『マノン・レスコー』など
第一章●小説の実験、実験の小説
 第一節 単純な構図と複雑な曲線…モンテスキュー『ペルシア人の手紙』
 第二節 長大な十二日半の物語…マリヴォー『成り上がり百姓』
 第三節 演劇と小説のはざまで…ディドロ『運命論者ジャックとその主人』
 第四節 対比構造による弱者への慈しみ…ベルナルダン・ド・サン=ピエール『ポールとヴィルジニー』
 第五節 迷宮の果てにあるもの…ヤン・ポトツキ『サラゴサ手稿』
第二章●啓蒙/反啓蒙思想と文学
 第一節 地獄の哄笑から庭の教訓へ…ヴォルテール『カンディード』
 第二節 素顔のフィロゾフ…ディドロ『あのひと善人かしら、悪人かしら』
 第三節 悪魔の化身か、啓蒙哲学の代弁者か ― 元祖幻想小説…ジャック・カゾット『恋する悪魔』
 第四節 ピグマリオンの転落…バキュラール・ダルノー『リープマン、ドイツの逸話』
第三章●アヴァンチュリエの文学とリベルタン小説
 第一節 自由人の遊び、かりそめの恋…カザノヴァ『回想録』、クレビヨン・フィス『炉辺の戯れ』など
 第二節 放縦を超えた恋…ラクロ『危険な関係』
 第三節 女子教育の有無と是非…ラクロ『女子教育論』
 第四節 小説家サドの語りの定式…サド「フロルヴィルとクールヴァル」など
 第五節 他者という永遠の謎…サド『ガンジュ侯爵夫人』
 第六節 「ジュスチーヌ物」三部作の前置きと結末…サド『美徳の不運』『ジュスチーヌ』『新ジュスチーヌ』
第四章●レチフをめぐる断章
 第一節 自伝と自然誌の奇しき接点…『ムッシュー・ニコラ』
 第二節 ある恋物語の変奏曲…『ムッシュー・ニコラ』『父の生涯』『パリの夜』『父親学校』
 第三節 成り上がりの悲劇…『堕落百姓』
 第四節 レチフの目に映った日本と日本人…『アンドログラフ』第二部、項目「日本」
第五章●未開人、ユートピア
 第一節 小説の中の未開人…アベ・プレヴォー『マノン・レスコー』『クリーヴランド物語』、ベルナルダン・ド・サン=ピエール『ポールとヴィルジニー』『フランス島紀行』
 第二節 ユークロニー小説に描かれた奴隷の反乱…ルイ=セバスチャン・メルシエ『西暦二千四百四十年』『未開人』
 第三節 建設されるユートピア…レチフ『南半球の発見』
 第四節 平等社会の構想…モレリ『自然の法典』
 第五節 「幻」の白人奴隷…ベルナンダン・ド・サン=ピエール『アンプサエルとゾライッド』
終章●革命、世紀のはざま
 第一節 革命に遭遇した文学者たち…シャンフォール、ロラン夫人、コンドルセ、レチフ、シェニエ、サド
 第二節 演劇と集合心性…オランプ・ド・グージュ『黒人奴隷制、あるいは幸運な難破』
 第三節 自由の抑圧者、ナポレオン…シャトーブリアン『墓の彼方からの回想』
 第四節 十九世紀を生きた十八世紀人…シャトーブリアン『墓の彼方からの回想』
補遺 ルソーの一通の手紙
●あとがき ●参考文献 ●十八世紀文学略年表 ●索引(作品名・人名) ●執筆協力者一覧
楠本重行[第五章第四節]、橋本克己[第二章第三節]、橋本 到[第二章第四節、第三章第五節]、太原孝英[第五章第五節、終章第二節]、北垣 潔[第一章第三節、第一章第五節]、多田寿康[終章第三節]、大場静枝[第三章第三節、第四章第三節]、以上の他は、植田祐次執筆。

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