「自然」についての著者一連の現象学的研究のなかから、特に根源的な時間・空間経験の問題を出発点として、現代哲学のもろもろの有力な立場と対決しつつ、〈多における一〉〈一なき多〉の根底に、〈多なき一〉〈一における一〉の論理を析出する。
●第一章 一にして不可分の空間(の)経験
― スピノザ、フッサール、ビラン
●第二章 『物質と記憶』における緊張(tension)と伸張(extension)
●第三章 瞬間のなかの持続
― フッサールとベルクソンの調停の試み
●第四章 〈一なき多〉の場の自己経験としての〈多なき一〉
― レヴィナス多元論の批判の試み